Quantcast
Channel: 中村 仁 | アゴラ 言論プラットフォーム
Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

格安アハモの混乱で高齢者切り捨て反省

$
0
0

ブログ炎上仕掛け人の功名

菅首相の肝いりの格安携帯料金の導入で、私の体験談をブログを書いたところ炎上しました。玉石混交のコメントは1200件に上りました。似たような主旨ばかりなので辟易、コメント欄は間もなく閉鎖しました。

eggeeggjiew/iStock

格安スマホの加入手続きでドコモに怒り」(3/27日)、「『格安スマホ加入でドコモに怒り』に抗議が殺到」(3/30日)の2本です。首相が後押していますので、ネットに不慣れな私も加入を試みました。

PVで見ますと、掲載直後に5千に跳ね上がり、31日の3万3千で一気に急増し、4/1日4万2千、2日3万5千、3日1万3千で、この辺りがピークでした。その後も1500から2000の水準が続いています。延べ2,30万PVで、訪問者は1日2万人がピークでした。

無名、しかもネット・オタクでもない私のブログがなぜ、集中砲火を浴びるのでしょうか。炎上仕掛け人がいるに違いない。

私のブログは、ネット言論サイトの「アゴラ」などにも常時転載されています。私の初出のサイト「goo」で記録した数字より、「アゴラ」が何倍も多いでしょう。ツイッターにも顔をだしました。

コメントは始めは読んでいました。「ブログが炎上している。お前は火葬にされてしまうのか」「契約書をよく読み、それに沿ってオンラインで申し込みができないあなたはアハモのターゲット層ではない」「自分の非を棚に上げて批判している」「脳のCTかMRIを撮ってみたら」。

視野が違う貴重な指摘もありました。「ブログに賛同します。菅首相が急ぎ過ぎて、現場は混乱を極めています」「NTTはドコモを買収し、通信業界の寡占化を進めようとしている。あなたはドコモの親会社になったNTTに騙されている」。参考になりました。

落ち着いたら続報をと思っていましたら、NTTドコモは「格安料金プラン・アハモの契約申し込みに関し、店員が契約者を支援するサービスを始める。3300円の手数料をとる」との記事(17日)が載りました。

アハモ信奉者が小バカにする店頭でのサポートをNTTが導入する。ドコモショップはスマホ教室を開き、高齢者層の開拓に力を入れたりしています。その主旨にも合っています。いい試みです。

私は「やっぱりそうなんだ。アハモ導入で現場が大混乱に陥り、特に導入初期はオンラインだけでは対応できない。NTTドコモはやっと反省し、オンライン限定を一部修正したか」と。評価します。

私ばブログで書いた苦情はいくつもはありません。

  1. 指示に沿って入力し、手続き完了。送信をクリックしたら「申し込みできません」と表示され、やり直そうとしていると、突然、画面に「ネットワークに繋がっていません」、つまりスマホがダウンしました。
  2. 私のスマホは5年前のGalaxyで、アハモの対象外の機種だったのです。それで「申し込みできません」は了解。問題は「スマホまでなぜダウンしてしまったのか」です。スマホが使用不能では困る。(パソコンで、アハモのオンライン・チャットを試みても、全く繋がらない。さらにパソコンを持っていない人は、どうやればアハモと連絡をとれるのか。緊急時に必要な準備態勢を用意していなかった)
  3. スマホの故障と考え、ドコモショップを訪ねると、「アハモへの申し込みが原因。アハモの新料金プランの契約は成立しています」。「申し込みできませんとの表示があったのに、なぜアハモとの契約が成立しているのか」と聞くと、「その点はアハモに聞いて下さい」。??。

今回のブログを書くにあたって、ネット情報を調べると、「新プランのスタート直後から、不具合、エラー、申し込みの殺到・混雑、処理の遅延などのトラブルが発生し、ユザーから不満の声が上がっている」(3月)と、携帯電話の研究所の投稿がありました。

また「『この内容で手続きを完了する』をクリックしたのに、送信できないとのエラーメッセージされる場合があり、ドコモが注意喚起をしている。現在、システムの改修を実施している」、「エラーメッセージが表示された場合でも、プラン変更は完了している(これも??)」とも。

「プラン変更後に『圏外表示』になってしまった場合の対処方法について、NTTドコモはホームページで詳細を公開した」(4/15日)との情報も読みました。アハモ申し込み時に発生した混乱を認めている。

コメント諸氏が「アハモと無縁のアホ老人」「無知で手のかかるユーザーのサポート費用をかけないのがアハモ」という指摘をよそに、ITリテラシー(操作能力、理解力)のレベルが様々な人の申し込みが殺到し、大混乱が起きていた。一種の通信システム障害です。

危機管理の意識が事業者側に足りなかった。「顧客層がどういう混乱を引き起こすかのシミュレーションを考え、緊急時の対応策を事前に練っておく」が危機管理の基本です。

ドコモの加入者は8000万人で、そのうち何百万人かが瞬時にアハモにシフトすれば、混乱が起きないはずはない。他の事業者からの乗り換えもあるでしょうから、混乱への備えは必要だった。

私のITリテラシーの不足をけなしているようでは、視野が狭い。金融界では、みずほ銀行が4回にわたってシステム障害(ATM障害、外貨建て国内送金の遅延など)を起こしました。それと対比することも必要です。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2021年4月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

Trending Articles